2009年08月26日

オペアンプ

iPodを含む携帯プレイヤーからヘッドフォンに凝り出し、そしてヘッドフォン専用アンプにも手を出す。
その流れは理解できる。
しかし、それらの改造に関する記事をネット上で多数見かけるが、どうなんだろう。
『自己責任』で勝手に行うのは自由、誰も文句をいわない。
しかし、電気の基礎知識さえ怪しいレベルで検索してみても、まずそこに書いてあることは理解できないのではないか。
素人による何の保証もない事項までやみくもに鵜呑みにして、その挙句壊してしまう。
全く意味が分かっていない以上、勉強にもならないと思われる。

…もったいない。


タイトルの「オペアンプ」であるが、常識としてこれだけは知っておいて欲しい。

秋月電子通商の「オペアンプ」ページの製品を参考。

・大多数を占める8ピンDIPタイプ(1cm角ほどの黒いプラスチックパッケージで片側に4ピンずつ並んでいる)はシングル(中身が1回路)とデュアル(2回路)がある。同じ外観なので型番(大抵は3〜4桁の数字)で区別する。
・かといって、8ピンDIPのICが全てオペアンプではない。パワーアンプ回路など、その他用途が異なるICも数多い。
・型番が同じであれば異なるメーカーの製品でも同一の特性として互換性あり。
・メーカーによっては変則的な型番もあり。
・動作を保証する電源電圧の範囲が型番により異なる。
・バイポーラ入力とFET入力があり、それぞれ特性に合った回路に向いている。
・ゆえに、データシートは欠かせない。
・ソケットを用いて差し替える場合、方向(ピン位置)を合わせないとICが昇天する。

8ピンデュアルタイプは多数の製品があり、シングルよりも基本形として扱われている。
また、4回路を収めたクアッドタイプも存在するが、パッケージを延長した14ピンであってせいぜい電源ラインが共通化される程度で「省スペース化」を謳うには大いに疑問。
音質的に優れたものもかなり限られてしまうので、差し替えて聴き比べることもほぼ不可能。
ある程度以上にプライスが保証できる音声回路(オーディオ)製品とは異なる、音ではない信号を扱うための回路において、製品製造メーカーが大量生産する上で単価を下げるためのものという認識。だから素子メーカーもバリエーションを増やしていない。
例として秋月扱いの中ではLME49740(1個\450-)くらいしか使いたいと思えない。
実際に回路を組んで確認したことがあるLM324(4個\150-)は音声回路では苦しく、TL084(10個\350-)は使えなくもないが好みではない(TL074も同様で高域のクセが強い)。
省スペースを優先したいのであれば、ソケットでの差し替えは不可能になるがより小さなパッケージの表面実装タイプを採用する方が目的は達せられるだろう。これは昨今のメーカー製品に多い高密度基板を見ても分かる事実。

確かに、インターネット上に情報はある。
私のエントリもそうだが、自身と同じレベルの知識が必要な内容が多い。
実際、不特定多数向けでは、ない。
「分かっている」ヒトだけが対象の、単なるヒント。
だから理解するためには、ある程度の知識が必要なのである。
そこを飛ばして、検索結果だけを見て悩んでも仕方がない。
これはこの件に限らないのはお分かりだと思う。

そのための参考書だが、技術書には取っ付きにくい本が多くそこで挫折することも考えられる。
私は『ミュージック・エレクトロニクス実用講座』(1985年)にお世話になった。
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これは現在絶版なので、内容を改訂した以下の『サウンド・クリエイターのための電気実用講座』を紹介。

"ド初心者" 向けに初歩から解説してあり、オペアンプについても網羅してあるので理解しやすいと思う。
無責任なレビュアーの "もなりえる" 氏には私も苦言を呈したが、他の方によるレビューを読んでもらえると分かるはず。

残念ながらディスコンとなったらしく、著者の大塚明氏が自らpdf版のサービスを開始。マーケットプレイスで買うよりお得。

また、ウチには応用回路集としてこんな本もある。
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1981年、テクノミュージックが一般化した頃の本。
主にエレキギター向けのエフェクタが中心で、今では素子部品が入手できず製作不可能なヴォコーダーから、アナログシンセの回路やミキサー等まで詳しく解説してある。

ラベル:electronics
posted by bluesmith at 17:00| | 更新情報をチェックする