2009年10月23日

ヘッドフォンアンプについて、雑感

音質への色付けを徹底して抑えたヘッドフォンアンプを自作した結果、考えさせられたことがある。
この件の反応いかんによっては、先のFETヘッドフォンアンプの販売を見合わせることにする

まず、オペアンプ+ダイヤモンド回路タイプの方は電池Boxを換えて完成の運びとなった。
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単三2本のBoxを2個並べて片側を+3V、もう片側を-3Vにして供給することで解決。ムリに4本Boxで中点0Vを引き出したのが間違いであった。

また、オペアンプもNJM4580DDを安価にて入手。これは低めの電圧でも動作する4580Dの低雑音選別タイプ。
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左からLME49721、NJM4580D、NJM4580DD。
私の手持ちのイヤホンでは、49721と4580DDの差は明確には感じられなかった。もっと高級な密閉式モニタリングヘッドフォンで聴き込めば違いがはっきり分かるのかも知れない。
メインで使ってるデジタルアンプに組み込んでスピーカを鳴らした場合では、同シリーズ品であるLME49720の方がクリアに聴こえる。
パーツとしての価格差から考えてこのようなものだと思う。

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試聴中、音が割れてきたので見たらLEDが消えかかっていた。ちゃんとバッテリインジケータとして働いている。
もちろん電池を交換して復旧。

FETヘッドフォンアンプとの外観比較。
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左の小さい方がFETタイプ、iPod nano (3rd G.) を載せた大きな方がオペアンプ+ダイヤモンド回路タイプである。

この2つ共に、iPod直接よりも全体的に迫力が増し、皮一枚以上の効果になった。
回路的には全く異なるが同じソースを同じイヤホンで聴き比べても違いがよく分からないのが実感。
『色付け』がない、というのはこのような特性になってしまうのであろう。


そこで、市販品である。
ネット上のレビューを見ると、あたかもアンプによってその音が変化して好みの音になったと書かれている例が多いと感じる。
つまりわざと音質を変化させて、それをウリにしているのではないだろうか。
大抵の回路は単電源(+側だけの電池)によって作動させているようだ。これは以前述べた通り、入出力にカップリングコンデンサが不可欠で、(良い悪いではなく)それにより音質にクセが発生する一因となる。
今更、『原音再生』 などと幻を追いかける真似はしないが、確実に言えるのは "色付け" を是として一般化しているのが現在のヘッドフォンアンプ市場ではないのか。
もちろん全ての製品を聞き比べたわけでもないので例外もあるとは思うが。
色付けをしようと思えば可能で、回路上の勘所も分かっている。過去エントリでのTRIPATHアンプは敢えてストレートに組まず、接続するスピーカ特性を考慮した色付けを施行している。

それで満足しているのであれば、その人個人の趣味だからとやかく言う必要もない。
一種のプラシーボ効果としてのブランド信仰というのもあるだろう。
そう、これがオーディオ界に蠢くオカルトの根源であることははっきりしている。
そこからいわゆる『電線病』に、線材に凝るあまり単価数万円を越える領域までエスカレートしていく。
ヒョーロンカのセンセイはそれで食ってるのである。
スポンサーの提灯記事=ギャラ発生なのだから当たり前のこと。

アンプに限らず私が行っていることは「市販品が買えないから安く自作しよう」というものではない。
子供の頃から工作に親しみ、趣味にとどまらず実務経験を通してある程度アナログ回路の知識があり、それを組み立てる能力があるからこそ好みのままに製作/改造をしている。

更に言うならば、販売とは儲けることである。
ボランティアではないのだ。
"パーツ代+安く見積もられた手間賃" で譲っても、後でクレームが来た場合は確実に損をして嫌な気分が残る。
市販品だって原価率とアフターサービスを考えて小売価格を決めている。個人製作だって同じではないだろうか。
現在、見るからに手作りと思しきエフェクタが楽器店に並んでいる。
明らかに有名メーカー製ではなく、古くからプロ相手に改造請負などをしてきたような著名人の手によるものでもなく、知らないガレージブランドながら高価。敢えてそれを選んで買って行く客がいる。
その隙間に空きはないのかもしれない。
それでも私にはこのような製作を続けていくだろう。

ラベル:electronics アンプ
posted by bluesmith at 20:30| | 更新情報をチェックする