2020年03月01日

イヤーモニタータイプのイヤホン

 以前から低価格のイヤホンを中心に色々と試してきた。それらのほぼ全てがディスコンになり、もう参考にもならないので記事も非公開/削除した。
 その後2016年12月に上海問屋オリジナルのハイブリッドドライバモデルBA8564をクーポン利用¥3,000-で購入し、一般的なカナル型として好みの音質で愛用していたがこれも既に廃番。

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 ここ最近の主流となったイヤモニタイプの評判が高いのを目にして、またも安価な製品を試してみたくなった。
 品名に「ノイズキャンセリング」と表記されている商品が多いが、有名ブランド高級品のような手の込んだ仕掛けなどあるはずもなく、実態は外来ノイズが聞こえにくい特徴をそのように称しているだけ。

 またiPhone 7など以後スマホから3.5mmジャックが撤廃されてワイヤレス製品も増えたが、一切興味はない。左右独立タイプは買っても1ヶ月以内に片方を失くすことになるだろう。
 なるべく高音質で聴きたくてハイビットレートの音源を用意してあり、Bluetooth接続では規格上更にデータを減らされるだけでなくしばしば途切れたり不利な面ばかり。踏み込んだことを言うなら、あの小さな筐体に無線回路と小出力パワーアンプだけでなく電源管理回路(やアクティブノイズキャンセル回路)まで内蔵した上で当然電池も収まっていて音質的にいいことなど皆無。そして本体(BluetoothをONにするだけで割と電池を食う)の充電だけでは足りずイヤホンにも事前に充電が必要な面倒さ。

 もちろん音質なんて気にしない方がいるのも事実で、そういう層に向けた商品の需要もあるわけで。
 それでも私は音を聞きたいのではなく音楽を聴きたいのだ。
 利便性と引き換えに失うモノがあり、ワイヤレスマウスと異なりそこに納得できない以上は手を出す必要もない。

 なお「リ ケ ー ブ ル」という納得し難い不思議な言葉は、やっつけ感が強い「ポ タ ア ン」並びに主観的で定義が曖昧な「重 低 音」と同様、個人的に好まないので悪しからず。


 am͜a͉zonにてざっと¥2,000-クラスをチェック。多品種展開をしているメーカー/ブランドが多い中で、単一モデル(OEMの可能性もあり)だけながらレビューも悪くなくラメを散らしたクリアブルーの外観が気に入ったKINDENを購入。



 カーボン編みのような模様に赤いファスナーをあしらったお洒落なケース(別売でもあった)を開けると、内ポケットに洗濯バサミ形状のコードホルダーと耳裏へ回す部分のカバーも付属。
 勝手が分からず装着に手間取りながらも一聴して驚いた。元気なキャラクターで心地いい音質である。
 それまで結構な量の商品を試した経験上、ハウジング(外殻)材がプラスチック製のイヤホンはちょっと難しいという結論に至った(上記BA8564は黒いメッキ仕上げも上等な金属だったので選択、購入)が、どうやらそうとは限らない。単純な円筒形とは異なる形状で耳穴に合わせるように斜め方向に角度を付けたノズルにより絶妙なフィット感、それに伴い外来ノイズも大幅に軽減される効果による没入感。

 これを選んだ理由はもうひとつあり、MMCXコネクタでケーブル交換が可能なこと。
 汎用的に使われている平行2ピン式よりも壊れにくく理にかなっている構造と考えた結果で、通常のイヤホンプラグ/ジャックと同様に回転するので装着しやすい利点もある。
 付属のイヤーピースよりも、愛用し続けているS社ハイブリッドタイプの方が違和感がなくて好ましい。ノズル部分はくびれがある5.5mm径なので難なく使える。
 実は長いこと愛用しているMacBook Proの不調対処手段を誤ってしまい、ネットワークリカバリにてOSを強制的に最新バージョンであるCatalinaにさせられたため、エージングで重宝したアプリ "Noisy" が使えなくなった。仕方なくiPad mini2上で睡眠補助アプリである "breeze" を使用して、丸2日ほど掛けて行った時点で再チェック。高域のキレ具合が良く、じっくり聴くと低域の圧が今ひとつ足りない(BA8564は低域ブーストの色付けがあった)もののダイナミックドライバ1発でもこんな音を出せるのかと評価したい。


 さて、こうなると他社製品も試したくなる。
 それぞれ特徴的なドライバ構成バリエーションでエントリーモデルZSTやZSNでも評判がいいKZ、その中から2BA+1DD構成のZSRを選択。

  

 急ぐものでもないのでより安い中華通販を利用した。am͜a͉zonでは既に扱っていない白い本体と、同様に安価な2ピンコネクタ仕様の銀メッキタイプを、モノトーンで揃えたくて選択した。

 am͜a͉zonで探すとブランド名などが異なるがこのケーブルっぽい。



 異なるセラーだったので別々に発送され、注文から到着まで20日ほど要した。それでも¥4,989-が¥2,800-ほどに抑えられたので差は大きい。
 デフォルトのケーブルはam͜a͉zonの商品画像と異なり、そんなに安価には見えない。しかし片側4本ずつ計8本を編み込んだしなやかなケーブル、プラグの金メッキも色が濃く見た目から期待させてくれる。
 同様にエージングを行いつつまずはデフォルトケーブルで試聴。本体がひと回り大柄で初めて装着する際にはちょっと戸惑う。ノズルは直交するように配置されていて、突起部分を外耳の窪みに沿わせることで位置を安定させる形状。
 音質的にはKINDENと比較すると大人しめ、中域の厚みが特徴的でダイナミックレンジも広く感じられて悪くはないが3ドライバ構成にしてはちょっと惜しい気もする。
 そこでケーブル交換。解像感がアップし、更にエージングが進行すると低域が拡大(持ち上げではない)しただけでなく高域も含めレスポンスが向上。重心低めながらも周波数特性がフラットな方向に改善された。なるほどこう変わるのか。屋外ではさすがに低域が聴こえにくくなるものの、トータルでこの値段ながらこの音質は立派。価格に比例する面もあり、これ以上に高価なケーブルも多数あって試したくなる気持ちを抑える。
 ジャズからEDM、ハードロックなどジャンルを選ばないと思う。

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 この違いがあるなら、と先のKINDEN用にもMMCXコネクタ仕様のケーブルを発注。同一メーカーでほぼ同じグレードと思われる金メッキタイプの色違いを。

 am͜a͉zonではこちら。



 銀メッキモデルではローレット加工のアルミだったプラグが、3Kカーボン材をあしらったタイプに変わっている。
 左からKINDENデフォ、KINDEN用の金メッキ替えケーブル、ZSTデフォ、ZST用の銀メッキ替えケーブル。

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 同様に元のキャラクターを維持したまま、より明瞭な音質になった。女性ボーカルのポップスや王道のアメリカンロックにマッチ。

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 さてここでイヤーピースの問題に当たる。
 KINDENに関しては前述のハイブリッドタイプでいい。ただし今までのカナルタイプよりも耳穴の奥に入るためSサイズで適合。
 ZSRは付属のMでは大きくSでは奥に入り過ぎて痛みを感じた。ノズルは内部に2発のBAが格納されているため寸胴で6mm径、いつものハイブリッドが嵌らない。手持ちの中から「赤軸(詳細不明)」のSサイズ(外寸ほぼ11mm)が適合、しかしまだ違和感が残るので専門メーカーの製品を試してみる。

 まずam͜a͉zon商品ページにサイズも明記されていて好印象なSednaEarfitのS。外径11.2mmながら装着30分で耳に鈍痛、固いので赤軸に戻した。傘部分は外径寸法だけでなく材質及び厚みによる固さでここまで違うものなのか。
 次いでSpinFit、大袈裟にスクロールを多用させられる公式サイトの各バリエーションとそのサイズを考察。奥に入り込む感触は嫌なのでシングルフランジ、それでも品数は多い。
 CP500のSを選ぶが、細いだけでなく構造的に突き出し分が大きくて耳の奥に入り過ぎて違和感大、これはノズルが短いイヤホン向け製品と判断。それでも柔軟な傘部分と謳い文句である3Dフィット性能の良さは理解した。
 そこで奥に入り込まない構造のCP155、Sサイズでイメージよりも尖った形状ながら違和感は極小。3時間ほど聴き続けて慣れたらしく大丈夫っぽい。

  

 カナルタイプと異なり、イヤホン本体形状の違いと装着時のフィット具合で適合するものを探す段階において、1ペアで足りるのにどの製品も2ペアセット販売になっていて不満である。中には3サイズを揃えたパックという良心的なものもあるが、サイズだけの問題では済まない。低価格愛好者としては本体価格を超える散財になってしまい本末転倒感が強い。SpinFitに関しては展示の見栄えを優先したのか刃物を使わなければ開封できないパッケージングは改めていただきたいところ。

 イヤーピースを変更することは、意識して音に集中して聴けば確かに音質も変化するが、それ以前に「耳が痛くならずにフィットする」ことを優先すべきもの。やはり人間のための道具である以上は、道具に対して人間が合わせるものではない。


 蛇足として、再生デバイスは以前のエントリでも登場したiPod nano 3rdとiPod touch 4th。素性を確認するため敢えて自作ヘッドフォンアンプは未使用。
 それらのリプレイス用として128GBのiPhone 6sを購入したはずが、前述のOS強制インストールによりiTunesが大幅に仕様が変更された「ミュージック」へと変わり(「代わり」ではない)、ライブラリ登録時に個人的なルールで作成した曲フォルダ内部を(ID3タグ情報のみによる分類で)書き換えられてしまった。
 コンピ盤はバラバラにされ、タグが不備な場合は全て「Unknown」フォルダに移動させられ、曲ファイル名に付けたナンバーと曲名の間に入れたハイフンまで削られていた。その絶望的な修復に要する手間としてAppleに損害請求したいくらい腹立たしい事態に陥り、それ以前El Capitan時点の曲ファイルを収めていた旧デバイスを使わざるを得ない状況なのである。


posted by bluesmith at 22:00| | 更新情報をチェックする